前置詞
December 23rd,2012
   前置詞もわかったようでわからない言葉です。  The mother said to her daughter. では、to が付いています。 これは、say (話す)の方向を to (〜に対して) で表していると言えます。 Show me your ear.  では、「私に、あなたの耳を見せて」になりますが、日本語では、対象に対し「に」を使っておりわかりやすいですが、英語の場合は to が付いていないので混乱しています。 第一、I told him, "You are wrong." 「私は、彼に『君は間違っている』と言った」 では、say と何が違うの?、ととさらに混乱しそうです。
   一般的に、文法書では、「動詞が他動詞の時は、前置詞を使わず、自動詞の時は前置詞を使う」という説明になっていると思います。 また、SVO、SVOC、SVOOなどの形で使われるVは他動詞、SVの時に使われるVは自動詞である、との説明も一般的です。
   他動詞か、自動詞かというのは、I moved the stone.  「私はその石を動かした」で、「石を」という「他のものに作用を与えるもの」が他動詞、I moved on my bicycle. 「私は、自転車に乗って移動した」のように、「主語が自分で動くような場合」自動詞ということになります。つまり、move は、「自動詞」と「他動詞」の両方を持っていることになります。
   他動詞と自動詞の見分け方は、日本語で「を」がつくかということも文法書では書かれていると思いますが、なるべく文法に頼りたくない、という方もいると思いますので、その場合は、多くの英文に触れて、体で体得していくのがいいと思います。 I said to her...  I told her...なども、普通に使っていればすぐに慣れます。
   以下、Red Cape から、前置詞について、いくつか解説してみます。

Don't ever let them see you in a red cape.
決してあなたが赤ずきんを着ているのを彼らに見せてはいけません。
let them V(see) O(you)という「〜に〜させる」という形は、「let」の項で少しやりました。慣れないとなかなか難しい形です。
you in a red cape で、「赤いずきんの中のあなた」という表現になっており、英語独特の表現の感じがします。
ever は、「決して」のような、強調する言葉になっています。

Wolves are very tempted by red capes, and will attack you.
狼は、赤いずきんに誘惑されて、あなたを攻撃するでしょう。
wolf にとっては、「誘惑される」立場なのでこのように「られった」形が使われています。 「〜によって」ということで by が使われています。
will は、「きっと〜するでしょう」ということで使われています。
attack to you になっていないのは、attack を辞書で引くと「他動詞」になっていて、「〜を襲う、〜に暴力をふるう」とあり、日本語でいうと「を」や「に」を既に含んでいる、とも考えることができます。

The daughter was over-confident about her figure.
娘は、自分の容姿について、自信過剰だった。
「〜について」を about で表しています。
confident 「自信がある」に over- を付けていますが、このように「-」を使って作られる言葉もあります。

Luckily for the daughter, she returned home safely.
娘にとってラッキーなことに、娘は家に安全に戻った。
for は、「〜のために」を表しています。

実は、この return は、自動詞で普通は、She returned to her house. のように使います。 ところが、home は、ここでは副詞で、「家に」という意味になるのです。ちょっといやになるかもしれませんが・・・。(He went home. 「彼は家に帰った」 などもそのせい。)

The wolf came to the daughter's house, and knocked at the door.
その狼は、娘の家に来て、ドアを叩いた。
come は、自動詞で、「彼は来た」のように「に」や「を」がなくても完結した文章を作れる動詞なので、プラス情報にはこのように to が付いています。
at は、「ポイント」を表す前置詞で、「ドアのところでノックした」のニュアンスで at が使われています。この辺りは、難しい感じがします。

前置詞を使うか使わないか、使うとしたら何を使うかは、かなり熟練のいる作業ですので、焦らず地道に慣れていくしかありません。(かく言う私も、これらのストーリーでは、毎回何かしらは必ず直されています。)

inserted by FC2 system